醜悪な看板、不細工な狭小住宅密集で守るべき美観など存在しない日本で、街路樹に対しては積極的にクレーマーが発生する。
仙台市泉区役所には「街路樹に虫がいる」「(虫の)分泌物が落ちてくる」といったクレームが2009年6月に19件、7月に13件送られてきたそうだ。
恐らく同一人物が偽名で連投したクレームだろうが、仙台市泉区役所の公園課は「環境や緑に対する住民の関心が高まるのはいいこと」と好意的に評価し、一部のクレーマーの要求を全面的に受け入れて年間約1億3000万円かけて殺虫剤散布で無害な昆虫を殺害し、枝を切断するなどして植物虐待を行った。
河北新報社の取材に60代の主婦は「緑は好きだが、虫は気持ち悪い。道に落ちた虫のフンも気になり、放置できない」と答える。この60代の主婦は「道に落ちた虫のフン」を肉眼で視認できるほどの視力の持ち主らしい。あるいは「放置できない」ほどの巨大な糞をする昆虫が仙台市に生息しているのかもしれない。
街路樹の虫に恐々 苦情10年で倍増 仙台・泉区役所
https://web.archive.org/web/20100610192130/http://www.kahoku.co.jp/news/2010/06/20100608t15045.htm
役所は住民の要求を全面的に受け入れる誠実な民主的機関だなどと勘違いしてはいけない。役所は多数決原理で施策を決定していない。組織に都合のいい意見は一件でも採用するが、自分たちの組織的性格と合致しない価値観は多数派でも封殺する。
役所とは有機体の画一化、人工化の追求を課題にした組織であり、自分たちの組織的性格に合致していたりテーマを支持するクレーマーの少数意見だけ採用して、自然と動物に対する破壊行為の根拠として利用している。
反自然で電卓的な職業的性格を持った公務員集団にとってコントロールが及ばない動物と自然は、自分達の算数的管理能力の無能を自覚させ、無機質で画一的な社会設計を脅かす敵でしかない。
役所は民意を公平かつ包括してくみ取る義務を否定し、少数のクレーマーからの「落ち葉が迷惑だから木を切れ」という攻撃要求には協力するが、それを上回る「樹を丸裸にしたら街路樹の意味がない」といった市民からの反対意見や住民からの樹木伐採反対運動は封殺する。
行政は、偏狭で陰険な市民的性格の成長を求める日本人の民族意識と、弱者に対する慢性的な攻撃性を美徳とする社会意識に支えられて、悪質なクレーマーの精神病の合理化と構造化を実現するサービス提供をメシの種にしている。
動植物への攻撃的意見を積極的に採用し、法制化の材料として利用し、自然憎悪を構造化させることで、規格化した人工至上の支配を最大化させる。
日本人の小役人的民族意識は、自然と人工を調和したものが文明であるという事実を意図的に無視して、文明を自然性の完全排除だと定義し、醜悪で狭小な世界観の構造化だけを進歩と信じている。
都市の中の街路樹、さらには人間の中の自然要素までをも文明の敵対物であると見なし、異様な執念と敵意を持って破壊を続けている。
少数のクレーマーが苦情を大量に連投している。
空港に届く2万件の騒音苦情の半数以上はたった10人から寄せられている - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20171121-heathrow-noise-complaint/
香川ゲーム条例「賛成意見」に多数の同じ文章、送信IPアドレスが一致?「同一ネットワーク環境?」指摘の声
http://npn.co.jp/article/detail/200003128
自然と動物に対するネガティブで攻撃を要求する意見は人口の0.1パーセント以下だが、クレーマーや関係者しか知らない役所の意見窓口には過激な意見が3件でその他0件なら役所は多数決として採択してしまう。
クレームは自演連投できるので、投票率の低い選挙戦より質が悪い。
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